確か、新型コロナの騒動が始まった後だったと思うが(後で調べたら5月20日でした)、読売新聞主筆・渡辺恒雄の昭和の足跡をたどる番組がNHK(もしかしたらBS1)で放送された。再放送するようだ。
番組では、同じ新聞記者としてタックルでおなじみの三宅さんや沖縄返還の密約の西山氏らも登場しながら、渡辺氏がいかに自民党のある派閥の腰巾着として政治に貢献したかというような内容だった。
それを見て、一見、渡辺氏の昭和の政治における影響力に感嘆してしまいそうだが、果たしてそうだろうかと問い直す次第である。
なぜなら、昭和という時代は、匿名でありながら、新聞記者の影響力が大きかった時代と思う。そして、その生き様も、多様だ。
調べたところによると、渡辺氏を挟んで、3歳年上に司馬遼太郎がおり、3歳年下に深代惇郎がいる。両氏の略歴は他に当たられたい。
私自身は、この両氏に惹かれるところはあっても、渡辺氏に惹かれるところはない。
昭和という時代を生きた、新聞記者の多様な生き方の中で、渡辺氏の生き様には何ら惹かれない。
いわんや、その平成編をや。昭和の政治における功績で名を成した渡辺氏は、平成の世においては横柄な読売巨人軍のオーナーとしての側面しか見当たらない。番組のタイトルが、いずれ平成編も放送されるような感じだったが、たぶん、見ることはないだろう。