2019年6月22日土曜日

カプリ島紀行

ナポリからカプリ島へは高速船に乗った。Aquastrada TMV50という高速フェリーで、Rodriquez社というイタリアの船舶メーカー製。カタログ上は444人乗りで(全長50.5m)、片道40分、値段は時間帯にもより19€~23€。

卑近な例と比較すると、鹿児島ー種子島間の高速船はB929というボーイング製。こちらは260人乗り(全長27.4m)なので、今回乗った高速船は約2倍の大きさということになる。ただし、総重量は前者のほうがはるかに軽く、理由はアルミ製であることと思われる。ホンダのNSXのような、高級仕様ということかどうかは不明。

アナカプリという路線バスの中継地に、レストランの送迎バスに迎えに来てもらった。バスと言っても軽バンで、ハンドルには「ISUZU」とあった。左ハンドルのミッション(MT)車だった。カプリ島は坂が多く、入り組んだ路地ばかりなので、オートマよりもミッションのほうが運転しやすいのかも知れない。

私の好きな番組に「小さな村の物語 イタリア」というBS日テレの番組があるが、先日、300回を迎えたもののカプリ島は今まで一度も取り上げられていないようだ。もともと貴族のリゾート地なので、番組の趣旨にあったドキュメンタリーは作りにくいのかも知れない。





2019年6月2日日曜日

時計と髪飾り

題記の小話をご存知だろうか。

ある、貧しい夫婦が何かの記念日にお互いにプレゼントを渡すことにした。夫は妻の美しい長い髪につける飾りを、自分の時計を質に入れて買った。一方の妻は、夫の時計のベルトが傷んでいたので、自慢の髪を切って売って時計のベルトを買った。いざ、その記念日を迎えると、使いみちのない贈り物がそれぞれの手元に残った。

お互いの思いやりがすれちがってしまう小話は、出典不明のまま、私の心の中に残っていた。それがO・ヘンリー短編集であることを知ったのは、たまたま読んだ地方紙のコラムだった。

O・ヘンリー短編集といえば、長男が学校の英語のサイドリーダーとして読んでいた。正確には読まされていた。それを思い出した私は、長男に「O・ヘンリー短編集読み終わったか?」と訪ねた。もう読み終えて、次のサイドリーダーを読んでいるという。上記の話はあったか?と尋ねると、ああ、あったわ、と言った。

O・ヘンリー短編集が、我が家で世代を越えた名著になった瞬間だった。長男も次男も、未だに私の本棚の本には興味を示さないままではあるが。