放送大学にて5年前に制作されたカリキュラムが再放送されているのを視聴した。講師の一人がその前年に芥川賞を受賞して、脂がのり切っている時期だったのではないかと思う。
テーマのひとつが「クレオール文学」である。
その番組に出演していたフランス海外県・カリブ海マルティニーク島に居住し、創作活動を行っている作家(パトリック・シャモワゾー)によると、文学作品とは必ずある土地に根ざしたものであり、逆にどのような土地にも依存しない作品は存在しえない、という。
アルジェリア(フランス領アルジェ)生まれのカミュも広い意味ではクレオール文学と言えるのではないだろうか。また、彼の作品「ペスト」の中にも、舞台がアルジェリアの都市・オランでなければならない印象的なシーンがあるという(登場人物が気分転換に海で泳ぐシーン)。
昨年中止で、2年ぶりに開催された下鴨古本市を訪ねた。中止になった年も回数はひとつ増えるようで、2年前が第32回、今年が第34回の開催とのことだった。
例年8月11日から16日にかけて開催されているが、今年は雨天のため13日と14日は中止だった。中止の告知も、主催者のブログの決して分かりやすいとは言えない写真サイトの現地の雨模様の写真というものであった。訪れたのは15日だったが、会場の糺の森は前日までの大雨が嘘のように、あたかも甲子園のグランド整備で有名な阪神園芸によって除水されたかのような水捌けの良さだった。
ローカル新聞の記事によると「昨年中止で在庫がたまっているので、通常であれば1万円のものが500円で売られているものもあります。」とのことだったが、にわかには信じがたかった。
昨年に続き、今年も地域の夏祭りは中止だ。インドで発生した変異株であるデルタ株が本邦でも蔓延し、既存株に置き換わってきている。ニューノーマルという言葉を越えて、抗コロナ・ファーストで行動する段階にきている。コロナ後の世界が当たり前になって、いつかずっと先の将来に子供たちがそれ以前の生活を振り返るとき、何か読むに値するような随筆のようなものを書くことが出来るような経験や思い出を残せたかどうかを自問自答する今日この頃である。
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