2014年12月14日日曜日

祖父母の立場から見た、孫への遺伝的寄与度

ヒトの染色体は、22対の相同染色体といわれる父および母から同じかたちのものを受け継ぐ染色体と、一対の性染色体という父(Y染色体)と母(X)ではことなる形からなる染色体からなる。その上で、男の性染色体は父からY、母からXを受け継ぐことからXY、女の性染色体は父と母双方からXを受け継ぐことからXXで構成されている。これは生物学的なバックグラウンドとして説明しておくが、後から述べる法則性を理解しておけば必ずしも理解する必要はない。

ここで、祖父母という立場から、自分の孫について自身の遺伝子(特に性染色体)がどれだけ継承されているかを考えるとき、息子の子供である孫と、娘の子供である孫について分けて考えると理解しやすい。

結論から言うと、娘の子供(孫)については自身の性染色体が継承されたか否かははっきりしない。なぜなら、娘(性染色体XX)からその子供(孫)に継承される染色体はX以外にないが、それは祖父由来かあるいは祖母由来かは同じXであるので判断できない。さらに、ヒトの染色体には組み換えという現象が知られており、女性の場合、XXと同じ性染色体がペアとなっていることから、組み換えが起こっている可能性は多々あり、その場合、祖父由来の性染色体と祖母由来の性染色体がミックスさされることになり、単純にどちらの性染色体が継承されたかは判別できなくなる。つまり、娘の子供(孫)は、祖父・祖母ともに程よくミックスされた遺伝であることが想像される。

一方、息子の子供についてはクリアカットに判別できる。男性の場合、Y染色体が継承されていくことから、性染色体については父親から子供への継承も明確である。よって、祖父にとっても、息子の子供(孫)が男である場合は、自分の性染色体が継承されたことになる。ここで面白いのは、息子の子供(孫)が女の子であった場合だ。女の子である場合は、性染色体がXXであることから、その父親からはX染色体が継承されている。そのX染色体は(祖父からはY染色体が継承られることから)祖母から継承されていることとなる。つまり、子どもが男である場合、その子供の性別には、祖父母の性染色体がダイレクトに寄与することとなる。

具体例を述べると、私の妻は、父方の祖母に「(容姿もさることながら)性格的によく似たところがある」。これは、直接受け継いだX染色体の寄与がある可能性が高い。さらに、この論を展開すると、今現在、とても美人な男の子のお母さんがいたとする。その男の子が大きくなって子供を授かったとき、もし、女の子であればそのお母さんに似ることが多分に予想される。つまり、絶世の美女が、隔世遺伝として再びこの世に生まれることになるのだ。嗚呼、うれしからんや。

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