2014年1月16日木曜日

草莽の志【過去の日記から】

今年の大学ラグビーは帝京大学の5連覇で幕を閉じた。昨年、決勝まで進み、今年は優勝も期待された筑波大学は早稲田大学の強力フォワードに粉砕された。早稲田といえばかつては展開ラグビーのバックスチームの印象があるが、5年一昔と言われる今日においてはそれも過去の称号なのかも知れない。

帝京大学のキャプテンは鹿児島実業出身との事だった。インタビューを受ける姿からはすっかり鹿児島弁のイントネーションは抜けているように見受けられた。ラグビー後進県の鹿児島県、しかも鹿実は必ずしも花園常連校ではない。彼自身も花園に出たのか確かではないし、もしかすると高校からラグビーを始めた可能性も高いのではないかと思う(後日追記:花園には出場したが1勝も出来なかったとのこと。また、中学まではサッカー部だったようだ。今では立派な日本代表。インタビュー記事)。

幼少からのラグビースクールが豊富にある関西圏では、高校卒業後、大学でも続ける場合は今日ではほとんどの有望選手が関東の名門大学に進む。しかし、花園出場や高校日本代表などの称号を持つ選手の進学先としては、前述の帝京大学は選択肢には入っていないのではないだろうか。惜しいところで花園を逃した、実績としては1.5線級の選手の中から、磨けば光る逸材を発掘して見事に花開かせているのではないかと思う。かつてうちの嫁さんが音楽の非常勤講師として勤務していた高校から同大学へ進学した選手も、そのような選手の一人ではなかったかと思う(本吉将吾選手)。2002年、同校初の国立競技場での試合・大学選手権準決勝早稲田戦で見せた彼の独走トライは、試合に敗れはしたものの、今思えば新興校が伝統校を凌駕していくという宣戦布告だったのかも知れない。

妻が勤務していた当時、その高校で監督をしていた先生(本職は数学教諭)が、今年、京都府立桂高校を率いて見事に花園に出場し、その息子さんとの「父子鷹」が一部のファンの間では話題になっていた。花園では2回戦負けと芳しい結果は残せなかったが、息子さんは早稲田大学に進学するとのこと(オフレコですが)。関東の名門私大に入学することが出来たということに満足せず、早稲田・慶応の創設者が佐賀・大分から上京した時の田舎侍になったつもりで、伝統に新たな1ページを刻んでもらいたい。願わくば2019年、日本で行われるワールドカップの時に、新国立競技場で勇姿を拝見したいものだ。

(2024年3月追記:BSよしもと「走れこすっちょ」によると、桂高校が花園に出場した際に、OBのブラマヨの小杉がその8割を負担したらしい。)


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