2015年12月28日月曜日

奇跡の血量

昨日は競馬の有馬記念があり、普段は競馬を見ない私もテレビで見ていた。
一頭だけ白馬で毛色の違う(一番人気の)ゴールドシップが最後尾から追い上げる姿は、「後一歩及ばず」ながらも見ごたえがあった。そのゴールドシップにとっては引退レースだったようで、その後に引退式があったようだ。私が住む地域は美浦トレーニングセンターが近くにある関係から競馬関係者も多少の知己がある。引退式に列席した横山騎手の縁者も長男の同級生にいる。

競馬は血統の寄与が大きい競技でもあり、「奇跡の血量」と呼ばれる近親交配の法則があるという。簡単に言うと、ある馬にとっての孫とひ孫の掛け合わせによる、その馬の血を18.75%(12.5%+6.25%)ひくとされる血量の馬に強い馬が現れやすいという法則である。

戦前はいとこ婚も少なくなかった日本人にとってはそれほど濃い血とは思えないが、この法則はあくまでもレトロスペクティブに導かれた「都市伝説」であることが生物系の専門家には自明であるだろう。なぜなら、ある個体がその親から50%ずつ形質(遺伝子)を受け継ぐ事は自明であるが、その子に対して親の形質を50%ずつ遺伝させるとは限らないからだ。親から受け継いだ染色体が、生殖細胞として減数分裂する際にちょうど同じ(50%ずつの)比率で受け継がれるとは限らない。よって、仮に孫とひ孫が交配した場合でも、遺伝子が上記の計算のように18.75%引き継がれることはまずないだろう。

昨晩はテレビをつけたまま寝ていて、目を覚ますとNHKで「生命大躍進」というドキュメンタリー番組を3話連続で再放送していた。第2話「こうして母の愛が生まれた」は断片的に見たが、オンデマンドでもう一度見たい。「35歳を超えた独身女性の98%が結婚できない」という統計値があるというが、35歳を過ぎても現代の医療では40歳ぐらいまでは充分に妊娠適性年齢ではないだろうか。結婚はあきらめたけど、子どもは欲しいというケースもあるかも知れない。そのような意志の強い選択をした知人の例も1例だけ知っているが、これからの日本ではそのようなケースの増加も見込まなければ少子高齢化の弊害は乗り越えられないのではないだろうか。

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